Jepro
← JeproブログTOP

施工管理

#工事写真#施工管理#建設DX#現場管理

電子黒板とは?工事写真を効率化するメリット・選び方・注意点

電子黒板(電子小黒板)の基本、工事写真業務でのメリット、選び方、導入時の注意点を解説。撮影後の写真整理・台帳出力までを含めた運用の考え方も紹介します。

電子黒板とは?工事写真を効率化するメリット・選び方・注意点のアイキャッチ画像

電子黒板とは、工事写真に必要な小黒板の記載情報を、撮影時に電子的に記入するための仕組みです。紙や実物の黒板を被写体と一緒に写す従来の方法に対し、対応するアプリやソフトウェアを使って、工事名・工種・測点・施工内容などの情報を写真へ組み込みます。

建設現場では「電子小黒板」「デジタル小黒板」と呼ばれることもあります。現場で黒板を持つ人員を確保しにくい場合や、狭い場所・高所などで撮影する場合に検討されることが多い一方、すべての工事で同じ条件で使えるわけではありません。発注者や元請けの要件、工事写真の管理基準、使用するソフトウェアの対応範囲を確認することが必要です。

この記事では、電子黒板の基本、効率化につながる理由、選び方、導入時の注意点を、工事写真を管理する実務の観点から整理します。

電子黒板とは:撮影時に小黒板情報を電子的に記入する仕組み

電子黒板は、デジタル工事写真の小黒板情報電子化に対応する仕組みです。国土交通省の資料では、被写体の撮影と同時に工事写真における小黒板の記載情報を電子的に記入し、写真の信憑性確認を行うことで、現場撮影の省力化、写真整理の効率化、改ざん防止を図るものと説明されています。

従来の工事写真では、工事情報を書いた黒板を被写体と一緒に設置し、撮影する方法が一般的です。電子黒板では、対応するアプリやソフトウェアで作成した小黒板情報を写真へ電子的に記録します。ただし、単に画像編集で文字を重ねることとは異なります。案件の要件に対応するには、必要な記載項目、信憑性確認(改ざん検知機能)、納品時の確認方法まで含めて確認する必要があります。

電子黒板で効率化が期待できる3つの場面

1. 撮影時の黒板準備を減らしやすい

物理的な黒板を用意して持ち運び、撮影位置に合わせて設置する作業を減らしやすくなります。黒板を持つ補助者を確保しにくい場面や、撮影スペースが限られる現場では、運用の負担を見直すきっかけになります。

ただし、電子黒板を使えばどんな環境でも安全・簡単になるわけではありません。端末の操作性、通信環境、手袋をしたままの操作、雨天や粉じんなどの現場条件を含め、実際の施工場所で使えるかを確認することが重要です。

2. 写真と記載情報を撮影時に結び付けやすい

撮影後に写真を見ながら工事名や施工内容を転記する運用では、時間が経つほど確認が増えます。電子黒板を使うことで、撮影時に小黒板情報を写真へ結び付ける流れを作りやすくなります。

ただし、撮影時の情報入力と、撮影後の整理・確認は別の業務です。電子黒板で必要な情報を入れた後も、工種ごとの整理、写真の並び、提出対象の確認、台帳としての出力が必要になる場合があります。導入時は撮影だけでなく、その後の流れまで設計しましょう。

3. 提出前の確認を進めやすい

必要な小黒板情報が写真とともに残っていれば、事務所側が写真の意味を確認しやすくなります。現場と事務所の間で「この写真は何の工種か」「どの箇所か」を聞き直す負担を減らすことにつながります。

一方で、電子黒板に対応していても、提出先の指定と異なる記載項目では受け付けられない可能性があります。撮影を始める前に、提出先の写真管理基準・特記仕様書・監督職員または元請けからの指示を確認することが欠かせません。

電子黒板を選ぶ前に、提出先要件、記載項目と信憑性確認、現場での使いやすさ、撮影後の整理を確認する4段階フロー
電子黒板の利用条件と、撮影後の写真業務を分けて確認します。

電子黒板の選び方:4つの確認ポイント

電子黒板を選ぶ際は、機能の数や画面の見た目だけで決めず、案件で必要な要件と自社の写真業務の流れに照らして確認します。

1. 提出先・案件の要件を満たせるか

最初に確認するのは、発注者、元請け、案件の仕様書で電子黒板の利用が認められているか、どのような手続きや条件が必要かです。公共工事、民間工事、補助事業などでは、提出先や案件ごとに扱いが異なり得ます。

国土交通省の資料でも、対象工事や使用機器、電子的に記入する項目、信憑性確認の扱いが示されています。電子黒板の利用可否を一般論で判断せず、案件の最新資料と提出先の指示を確認してください。

2. 必要な記載項目と信憑性確認に対応できるか

工事写真に必要な情報は、工種や提出先によって異なります。工事名、工種、測点、施工内容、日付など、案件で必要になる項目を入力できるかを確認します。また、電子小黒板として扱う場合は、信憑性確認(改ざん検知機能)や確認ツールへの対応が求められるケースがあります。

「電子黒板風の文字入れ」と、要件に対応した小黒板情報電子化は同じではありません。対応ソフトウェアの説明だけで判断せず、要件と照合することが必要です。

3. 現場で無理なく撮影・入力できるか

現場で毎日使うなら、撮影前の黒板作成、工種の選択、入力のしやすさ、オフライン時の扱い、端末の運用などが重要です。事務所のPCで便利でも、現場で数タップ増えるだけで定着しないことがあります。

導入前には、実際の工種と現場環境で試します。撮影者が一人で操作できるか、撮影後に修正しやすいか、他の担当者が同じルールで使えるかを確認すると、導入後のやり直しを減らしやすくなります。

4. 撮影後の写真整理・台帳出力までつながるか

電子黒板は撮影時の情報記録に強みがありますが、写真台帳づくりには別の業務もあります。写真を工種や現場ごとに確認する、順番を並べ替える、必要な写真だけを選ぶ、ExcelやPDFに出力する、といった後工程です。

撮影アプリの選定と同時に、撮影後の写真をどこで整理・確認・共有するかを決めます。電子黒板と写真管理をそれぞれ別の仕組みで扱う場合も、データの受け渡し、写真の重複、更新担当を事前に整理しておくと、二重入力を防ぎやすくなります。

電子黒板を選ぶ際の確認項目
確認すること見るポイント注意点
案件の要件発注者・元請け・仕様書での利用可否、必要手続き案件ごとに扱いが異なる可能性がある
記載・信憑性必要な記載項目、信憑性確認・確認ツールへの対応文字入れ機能だけでは要件を満たさない場合がある
現場運用撮影・入力の手間、端末、通信・現場条件実際の工種と環境で試す
後工程写真の整理、確認、台帳出力、データ連携二重入力や写真の分散を避ける

導入時の注意点

案件の条件を確認せずに使い始めない

電子黒板の扱いは、すべての案件で一律ではありません。要件への対応が必要な場合は、着手前に提出先の指示を確認し、使用する機器・ソフトウェア、記載項目、信憑性確認の方法を整理します。判断に迷う場合は、監督職員・元請け・発注者へ確認してください。

電子黒板だけで写真管理が完結するとは限らない

撮影時の情報記録ができても、提出用の写真台帳には整理・確認・並べ替え・出力の工程が残ります。誰がどこまで担うかを決めずに導入すると、現場は撮影、事務所は別の場所で再整理、という二重作業が起こることがあります。

運用ルールを細かくしすぎない

最初からすべての工種、すべての入力項目を厳密に統一しようとすると、現場で使われなくなることがあります。まずは対象案件を絞り、必要な記載項目と確認時点を最小限にして試します。撮影・確認・出力のどこで詰まるかを見ながら、ルールを調整するのが現実的です。

電子黒板とJeproの役割を分けて考える

Jeproは、電子黒板の信憑性確認機能や電子小黒板対応を提供するサービスとして案内しているものではありません。Jeproが支援するのは、現場・プロジェクトごとの工事写真の登録、工種や写真ごとの情報入力、確認、写真の並べ替え、Excel/PDFの写真台帳出力です。

そのため、電子黒板を使って撮影した写真も含め、撮影後の写真を現場・工種ごとに整理し、事務所で確認して台帳として出力する業務を見直したい場合に、Jeproを写真管理・台帳作成の流れとして検討できます。導入前には、電子黒板側のデータ形式や要件との適合を個別に確認してください。

よくある質問

電子黒板は、普通の写真編集アプリと何が違いますか?

案件で小黒板情報電子化への対応が必要な場合、単に撮影後の画像へ文字を加えることでは足りないことがあります。必要な記載項目、撮影時の電子的記入、信憑性確認など、提出先の要件に沿った仕組みかを確認する必要があります。

電子黒板を使えば、紙や実物の黒板は不要ですか?

案件の要件や現場条件によります。電子黒板の利用可否や必要な手続きは、発注者・元請け・仕様書の指示を確認してください。高温多湿や粉じんなど、端末・機器の利用が難しい現場条件も考慮が必要です。

電子黒板を導入した後、写真台帳の作成はどう変わりますか?

撮影時に情報を残しやすくなる一方、写真の選定、工種ごとの確認、並べ替え、提出形式での出力は別途必要になることがあります。撮影後の整理・確認・出力までを一つの業務フローとして設計すると、手戻りを減らしやすくなります。

まとめ

電子黒板は、工事写真の小黒板情報を撮影時に電子的に記入する仕組みです。現場撮影や写真整理の効率化につながる可能性がありますが、利用可否や必要な要件は案件ごとに確認する必要があります。

選ぶ際は、提出先の要件、必要な記載項目と信憑性確認、現場での使いやすさ、撮影後の写真管理までを分けて確認しましょう。電子黒板で撮影した写真も、整理・確認・台帳出力までつながる運用を作ることで、写真業務全体を見直しやすくなります。

参考情報

国土交通省「デジタル工事写真の小黒板情報電子化について」

https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001589799.pdf

国土交通省「技術調査:写真管理基準」

https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000052.html

一般社団法人 施工管理ソフトウェア産業協会「デジタル小黒板」

https://www.jcomsia.org/kokuban